BRCA Seq(ブラカ・シーク) – 乳がん・卵巣がん遺伝子リスク判定 –

BRCA Seq(ブラカ・シーク)とは?

乳がん・卵巣がんにより日本では年間約2万人が亡くなっています。乳がん・卵巣がんは他のがんと同様、早期に発見し治療することが重要ですが、いまだ十分ではありません。これまでの研究から、乳がん・卵巣がんを発症した方のうち、約10-15%は生まれながらに遺伝子のリスクを持っており、がんを発症しやすいことが分かってきました。そのような方は血縁者にがんを発症した方が多いなどの濃厚な家族歴があることが多く、遺伝医療の対象となってきました。一方、海外における大規模な研究から、濃厚な家族歴のない方にも時に遺伝子の異常があり、がんを発症しやすいことが明らかとなりました。BRCA Seq(ブラカ・シーク)を多くの方々に受けていただくことで、乳がん・卵巣がんのリスクを発症前にあらかじめ知り、適切な検診で早期にがんの治療につなげていただきたいと考えています。

BRCA遺伝子( BRCA1 / BRCA2 )について

BRCA1、BRCA2という2つの遺伝子はDNAの損傷を修復する遺伝子です。DNAには毎日、自然の放射線や複製時のエラーなどにより多くの傷が付いていますが、BRCAを始めとするDNA修復遺伝子が直しています。しかし、このBRCAに生まれながらに病的な変異が入っていると、DNAを修復する力が弱く、特に乳がん・卵巣がんを発症するリスクが上がります(男性でも前立腺がんのリスクが上昇することが知られています)。

BRCA遺伝子( BRCA1 / BRCA2 )の変異とがん発症の関連性について

*発症率は変異の種類やその他の状況により異なります。

▼参考データ
国立がん研究センターがん情報サービス 「がん登録・統計」(2013年データ)、「Chen S, et al. J Clin Oncol. 2007」、「Struewing JP, et al. N Engl J Med. 1997」、「Kote-Jarai Z, et al. Br J Cancer. 2011」

検査の方法 ※現在は新規の受付を停止させていただいています。

1.予約サイトより予約を行っていただきます。
2.当社ゲノムセンター(柏の葉KOIL)において当社スタッフ(医師または遺伝カウンセラー)によるカウンセリングを受けていただきます。
3.遺伝や遺伝子に関するご説明をさせていただき、ご自身やご家族の健康状態について伺います。
4.その場で唾液を少量、ご提出いただきます。
5.唾液よりDNAを抽出し、BRCA1, BRCA2の遺伝子領域を増幅します。次世代シーケンサーにより解読したDNA断片をコンピューター上で一続きの遺伝子に再構築します。国際データベースから意味付けを行い、遺伝子の病的意義を明らかにします。
6.病的変異を認めた場合、再度カウンセリングにお越しいただき、当社スタッフよりがんの早期発見・介入に関する詳細なご説明をいたします。

*検査の結果VUS (Variant of Unkown Significance)と呼ばれる、現時点のデータベースからは「意義が不明」な変異が見つかることがあります。データを継続的にアップデートし、VUSの意義を明らかにする研究を続けることで、結果が分かり次第お伝えいたします。
*MLPA法などによる構造異常やコピー数異常の判定は行いません。

この検査を受けられる対象者

「20歳以上の責任能力のある方」
「乳がん卵巣がん未発症の方」
「濃厚な家族歴のない方」
*濃厚な家族歴のある方には本検査ではなく、専門医療機関におけるより詳細な検査を推奨しております。
*濃厚な家族歴とは、「母・叔母・姉が乳がんを発症している」などの状態です。判断に迷う場合にはお問い合わせください。

結果が出るまでの所要時間

1ヶ月から3ヶ月程度

フォローについて

BRCA seqの結果、「病原性あり」「病原性なし」「VUS(意義が不明な変異)」の結果が出ます。
「病原性あり」と判定された方には、検診や早期介入に関する適切な情報を提供いたします。また、その後の健康状態、検診や治療の状況に関して継続的にご連絡させていただきます。
また「VUS」と判定された方には、国際データベースや関連した研究の状況をアップデートすることで、解釈に関して重要な変化が生じた場合にはご連絡させていただきます。

検査料金

39,500円(税抜)
*2019年4月時点において国内で最も安価です。